だから私は海へ通うことをやめられない

写真日記

私が江の島へ行くときは、なるべく平日を選ぶようにしている。人気の観光地だけあって、土日祝日はとても混み合い、ひどい時には道を歩くのも困難になるからだ。

しかしこの日は、前日の天気が良くなかったこともあり、混雑を覚悟して土曜日に行くことになった。そのため、いつもより早く向かい、早めに切り上げるつもりだった。

江ノ電にも乗りたかったが、休日の混雑ぶりは恐ろしく、今回は小田急線で片瀬江ノ島駅へ向かうことにした。

まずはウォーミングアップ代わりにファミリーマートでZAVASを購入。歩きながら飲みつつ、江の島へ向かう。

いつもは時間が合わず乗れないべんてん丸に乗りたいと思い、少し足早になる。

別に急ぐ必要はないのだが、私は目的があると逸る気持ちを抑えられない。

やがてべんてん丸の乗り場が見えてきた。
しかし、何だか様子がおかしい。人は多いのに、乗り場の前が妙に殺風景なのだ。

どうやら運航していないらしい。「満潮のため」と張り紙が出ている。今日こそは乗ろうと意気込んでいたので、とても残念だった。

とはいえ、こんなに気持ちの良い天気の日に歩かないのももったいない。この日一番の目的だった、江の島コッキング苑で開催されている写真展へ向かうことにした。

3キロほどあるリュックを背負い、速足でぐんぐん進んでいくと、あっという間に背中にじんわりと汗が流れ始める。でも、べたつきのない、さらりとした良い汗だ。

風が吹くと何とも言えない心地よさで、自然と笑みがこぼれ、深呼吸をしている。

混雑はしていたものの、窮屈に感じるほどではない。歩くのもスムーズで、自分のペースで江の島散歩を楽しむことができた。

午前11時に到着。当然ながらランチはどこも満席だ。

もっとも、そのことはわかっている。それに、お店に入って料理を待っていたら、写真を撮る時間が減ってしまう。

そのため私は、いつもクルミがたっぷり入ったタカキベーカリーのパンとカロリーメイトを持ち歩いている。移動しながら食べられるので、特に問題はない。

【弁財天仲見世商店街】

いつもなら寄り道をしがちな私だが、夢中になって肝心なものが撮れなかった経験も多い。
最近はそんな失敗から少し学習し、まず真っ先に写真展へ向かった。

大好きな江の島を、他の人がどんなふうに切り撮っているのか興味津々だったのだ。

いざ作品を目の前にすると、常に通っていなければ出会えないであろう瞬間や、自分にはない視点で切り撮られた写真ばかりで、共感と尊敬の気持ちが湧いてくる。

そして、移住したい気持ちがさらに高まった。

【UMIYAMA GALLERY】

海のある街へ移住することへの不安。知らない土地で、50歳を過ぎて一人で暮らすことへの不安。以前はそんな気持ちが常につきまとっていたが、今はもう違う。

「行きたい場所へ行き、見たいものを見て、やりたいことをする」

今の私の中には、その気持ちしかない。

写真展を見て、ギャラリー内を撮影し、コッキング苑のアート作品も楽しむ。

普段ベンチに座るのは、軽食を食べる時かレンズ交換をする時くらいだ。しかし、この日の風はあまりにも気持ち良く、腰を下ろしたベンチからなかなか立ち上がれなかった。

その心地良さを誰かと共有したくなり、珍しくInstagramのストーリーに投稿までしてしまった。

リアルタイム投稿はあまり良くないのかもしれないが、これだけ人がいれば大丈夫だろうと、少しだけ自分に言い訳をする。

それからは、いつもなら岩屋へ向かうところだが、せっかく早い時間に来たのだから海岸を歩くことにした。

「カフェでケーキでも食べたいな」

そう思いながらも、やはり時間が気になってしまう。

結局どこにも入らず、駅前のファミリーマートへ戻り、チョコモナカジャンボを購入。大人の歩き食べである(笑)。

一口食べては袋に戻し、しっかり日傘も差す。

なんといっても、空には大きなトビがたくさん飛んでいて、常に食べ物を狙っているのだ。

かつてハンバーガーを奪われた経験がある。その時の恐怖は今でも忘れられない。

海辺を歩いていると、海の家の建設が始まっていた。日焼けした職人さんたちが、ひと仕事終えた様子で談笑している。

建設途中の海の家を見たのは初めてで、なんだか嬉しくなった。

そのまま鎌倉高校前付近まで歩いてみたが、相変わらずの観光客の多さだった。
夕暮れの海も撮りたかったので、江の島方面へ引き返すことにした。

江ノ島水族館側の海岸へ行くと、目の前には美しい海と夕日が広がっていた。
ここしばらく気持ちが塞ぐこともあったが、その景色を見た瞬間に吹き飛んでしまった。

「だから私は海へ通うことをやめられないのだ。」

海へ行くことで心と体にエネルギーが満ち、生かされている実感を得る。
そして、また無理なく頑張ろうと思える。

土曜日だったけれど、行って良かった。
誰もが、行きたい時に、行きたい場所へ行ける。そんな世の中であってほしいと思う。

P.S.

早めに帰るつもりだったのに、結局日が暮れるまで滞在してしまった。

その夜はぐっすり眠り、翌朝。

二度寝から飛び起きて慌てて身支度を整え、玄関まで出たところで気づいた。

今日は日曜日だった。

思わず、自分に苦笑してしまった。

【海の写真はこちらにまとめましたので、見て頂けたら嬉しいです。】

空と海の写真
海を眺めていると、不思議と心が落ち着きます。空の表情や波のきらめき、その日にしか出会えない景色を写真に残しました。心に残った海辺の記憶を集めたギャラリーです。

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